ペットロス、
またはペットロス症候群と呼ばれる心の状態。
ペットを亡くした時の心の状態に “ペット” という言葉がついているのは、
実は日本だけだと言われています。
欧米では、一般的に「対象喪失」の経験のひとつ。
人間が亡くなったり、
子供や配偶者と離別したりすることで起こる心の状態と
ペットを亡くして起こる心の状態は
『同列・同種の経験』として扱われます。
“ペット” のことだから、と
他の喪失体験と分けて “特別扱い” されることはないのです。
家族を亡くしたことと、本当の意味で「同じ」こと。
この日本的な、ある種の「特別扱い」については
負の側面についても議論されていて、
私もそれには同調する立場です。
というのは、
「『ペット』ロス」という言葉があることで
大切な存在を亡くした「非常につらい心理状態、心の体験」にもかかわらず、
例えば親や伴侶といった「人間を亡くした」ことと比べ、
「たかがペットのことで」という思いを周囲の人が抱いてしまったり、
ご本人の中でも「ペットのことくらいでおかしいのではないか」という感情が
微かにでも生まれてしまうことがあるからです。
大切な存在を失った。
そんなときに負い目を感じる必要もなければ
誰かに誹りを受けるようなことはなくて当たり前なのに、です。
ペットロスは、誰にでも起こる心の状態。
恥ずかしく思ったり
おかしいと感じたりしなくて大丈夫。
悲しいのですから、悲しんでいいのです。
泣いてもいいし、
誰かに聞いてもらってもいいのです。
気持ちを押し殺さずに過ごすことが大切です。