いつでも安定した飼い主を目指していても
どうしようもないときもあります。

悲しかったり、苦しかったり。

そんなときは一度、どっぷりとその感情に浸りましょう。
泣いちゃいましょう。

我慢せず、
自分の気持ちをすべて表出させて
自分の心の中から、
この地上に姿を現させてみましょう。

遠慮せず、どうぞ。

ペットさんのそばでも、大丈夫。
あなたのせいじゃないよ、心配しないで、という気持ちを伝えて、
わんわん泣いてみましょう。

もしかすると、
やがて
心の奥底に閉じ込めていたときには見えなかったものが
見えてくるかもしれません。

  • くやしい
  • かなしい
  • せつない
  • やりきれない
  • 後悔
  • 反省
  • そのほかにも…

そして、その感情がなぜおこったのか、
どこからやってきたのかを
つらい作業ではありますが、じっくりと眺めてみます。

  • もっとこうしてあげられたはずなのに
  • 早くに気づいておけば
  • こちらを選択しておけば
  • あれもこれもしてあげておけばよかった
  • あのときこうしなければ
  • これを選ぶんじゃなかった

そうそうその調子。

どんどんと
今の悲しさの根源、
やり切れなさの元を辿っていきましょう。

そしてひとしきり出したら、こう問いかけてください。

で、それ、本当?

ああしておけばよかったから、悲しいの?
こうしておいたら、そうじゃなかった?

ほとんどの場合。
ペットさんたちは
わんちゃんもネコさんも馬たちもうさぎさんも

もっとこうしてくれてたらよかったのに
とか
あのときの選択がまちがいだったのよ
とか、
そんなことは思っていません。
(※ふくいくのこれまでのアニマルコミュニケーション経験からの私見です)

ペットさんたちはペットさんたち自身で、
自分が受け入れるべき
環境や状況、病気などを理解しています。

もちろん、
ペットさん自身も
急な体の変化などに戸惑うことはあります。
不安になることもあります。

でも、それに対して
「いやだいやだ!こんなの冗談じゃない!」とあらがうのではなくて
少し時間が必要でも
やがて静かに受け入れていきます。

そこにまた、
飼い主さんがついていけなかったりして、
それがまた寂しく感じられたりして、
さらにドツボにはまったりするんですけどね…。

ここでひとつ、
もしかしたら気づいていないかもしれないお話を。

ペットさんの抱えている問題と
飼い主さん自身は別のものです。

私も、よく思うから、わかるんです。

「ああ、わたしが病気や怪我を変わってあげたい」
「代わりに私が引き受けるから、この子を元の体にしてあげたい」

思います。
思いますよね。

でも…

代われないんです。

もし万が一、代われたとしても
かわってあげて具合の悪くなった飼い主を見て
「やった、ラッキー!私全然大丈夫だもーん」
なんて言うペットさんだったら…

また違った意味で悲しくなりそうですよね。

ペットさんの抱えている問題は、
飼い主さんのものではありません。

寄り添って、ともに歩んでいくことは出来るけれど、
代わることはできず、
引き受けてあげることも出来ません。

うちの子の人生の課題と
自分の人生の課題は
重なることはあっても同じではないのです。

そこを一緒だと思うとつらくなる。
悲しくなる。
どっぷりと底なし沼にはまり込む。

本当に大変なとき、この話は心に届かないかもしれません。

何言ってやがるんだ!って思うかも。

そうですよね。
そうなりますよね。
私もなります。

だから、冷静なときに書いておこうと思うのです。

悲しいも 苦しいも
ペットさんの感情じゃなくて
自分自身の思いだと言うことにまず気づくこと。

その思いを抱えている自分と
目の前で病や怪我と向き合っているペットさんを
一緒にしてごちゃ混ぜにすると
本当のことが見えにくくなる。

ペットさんが苦しそうなときに

苦しいよね、かわいそう、どうしたらいいの、えんえんえん〜(涙)

となるのは、
飼い主さんの側の課題なのです。

ペットさんが苦しいとき。

苦しいよね
どうしてあげたら少しいいかな?
頭を高くしてみようか?
うん、良さそうだね。
ここにいるから安心してね。
いつでも気持ちは一緒だよ。
楽になる姿勢を試してみようか?
うん、これだと苦しいよね、こっちにしてみようね。
どうかな?しばらくこうしてみようね。

というのは、
ペットさんを尊重しつつ
飼い主さん自身も、自分の足で立っているということです。

この違い、伝わるでしょうか?

ペットさんは、飼い主さんと融合して
溶けてバターになりたいわけではありません。
自分におんぶに抱っこの
飼い主さんを見たいわけではありません。

安心させてくれて
安定している飼い主さんのそばにいたいでしょう。

大変なときほど、
つらいときほど、
やさしいまなざしで見守ってくれる飼い主さんだと
助かるな、と思っているのではないでしょうか。

大変なとき、
一度、全部全部吐き出して
もうスッカラカンに何も出なくなったら、
シャキッとペットさんのそばに戻ってあげてください。

つらいのも、
苦しいのも、
その思いは飼い主さんのもの。

でもそれは
ペットさんのことが大好きだからなんだ、って
ペットさんも知っていますから。
ペットさんも、
あなたのことが大好きだから。

心配の種をあちこちにまかずに
愛の種をまいて、
大きく育てていきましょう。

自分への自戒をたっぷり込めて
お届けしました。

それでも一抹の不安や怖さが襲ってくるときはこちらをどうぞ